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窪田:まさに官僚的ですね。ボクも以前は朝日新聞にいて、そのときにもらった資料や本を探してみました。何か面白いことでも書いていないかな……と(笑)。
入社したときに『歴史の瞬間とジャーナリストたち 朝日新聞にみる20世紀』という非売品の本をもらったので、読み返してみました。その本には、朝日新聞の記者が日本の近代化にどれだけ役目を果たしたか、といった内容が書かれていました。
上杉:負の歴史ですね(笑)。
窪田:あらためて驚いたのは開いて1ページ目から、「日露開戦にいち早く布石」という見出しで、当時の朝日新聞主筆・池辺三山が外務省の参事官から、元老と会って「対露強攻策で問題解決を図るよう働きかけてほしい」と頼まれるくだりからはじまっていることです(笑)。
上杉:それって、ものすごくマズイじゃないですかっ!
窪田:元老の山縣有朋が日露交渉に賛成する姿勢をみせたので、開戦論者の外務官僚からすればワラをもすがる思いで頼んだわけですよ。池辺主筆も期待に応え、「いまなさねばならぬのは、断じてこれを行うという決断です」と説得、山縣は頭を垂れて涙を流したと書いてあります(笑)。
要するに、朝日新聞の役割というのは、取材よりも官僚の役にたって政治に働きかけることであるということです。なんせ……1ページ目から書いてあるくらいですから。
上杉:それって、自分たちがジャーナリストではなく、プレイヤーであることを宣言しているようなもの。
相場:じゃあ昔から、読売新聞社のナベツネ(渡辺恒雄)さんみたいな人がいたということですね。
窪田:ですね。事実、この逸話は「これ以降、日本の新聞界に近代的エディターとしての主筆が定着する」と誇らしげにしめくられています。やはり朝日新聞の感覚というのは、世間とズレていると思いました。
Source: bizmakoto.jp